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月森 和之
no journal, ,
多層ベローズは、柔軟であり、かつ高い耐圧性を有することから、広く利用されている。しかしながら、その挙動を解析的に評価する場合、層間の摩擦など不確定性があることから、単層ベローズに比べて扱いは難しくなる。本稿では、多層ベローズの強度評価式を考察し、FEMによる多層ベローズの弾塑性解析評価、ならびに摩擦の影響を検討する。
高見澤 悠; 勝山 仁哉; 山口 義仁; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄
no journal, ,
原子炉圧力容器の健全性評価において、実機の原子炉圧力容器で想定される10mm程度の浅いき裂ではき裂先端の拘束が小さく、試験片よりも破壊に対する裕度があると考えられており、その保守性の明確化が重要な課題となっている。本研究では、ローカルアプローチに基づき、原子炉圧力容器内表面半楕円き裂に対応し、例えば最深点のみの領域におけるワイブル応力を算出可能な手法を整備した。また、コンパクトテンション型破壊靭性試験片及び内表面に半楕円き裂を有する原子炉圧力容器について、弾塑性解析を実行可能なモデルを作成し、有限要素解析を行った。その結果、浅い表面欠陥を想定した原子炉圧力容器による健全性評価には、破壊靭性試験片による評価と比較して、ある一定の保守性があることを明らかにした。
山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄; 土居 博昭*
no journal, ,
既設原子力プラントの耐震安全性や外部事象に係るリスク等を評価するために、き裂を有する経年設備を対象に、設計基準地震動を超える大きな地震動を経験する場合のき裂進展評価手法を確立することが重要である。本研究では、ニッケル合金溶接部にき裂の存在が確認されたことを踏まえ、配管のニッケル合金溶接継手から採取した試験片を用いて、大きな地震荷重を模擬した過大荷重を含む繰返し荷重によるき裂進展試験を実施し、地震時き裂進展評価手法を提案した。また、より実際に近い模擬地震動によるき裂進展試験を実施し、その妥当性を確認した。
眞崎 浩一*; 小坂部 和也*; 勝山 仁哉; 勝又 源七郎; 鬼沢 邦雄
no journal, ,
原子炉圧力容器(RPV)の健全性評価方法について、国内外の最新知見に基づく従来方法の再確認を行うとともに、システム安全の評価に資する確率論的評価も視野に入れた健全性評価方法の高度化を目的とした「高経年化技術評価高度化事業」を原子力規制庁からの受託事業として進めている。本報告では「平成25年度高経年化技術評価高度化事業」における国内規制基準への確率論的破壊力学(PFM)解析の適用性検討で得られた成果の一部として、米国におけるき裂貫通頻度(TWCF)の評価手法に基づき、PFM解析コードPASCAL3により得られるTWCFに対する過渡事象及び欠陥密度の影響について報告する。
角田 淳弥; 柴田 大受; 武藤 剛範*; 三橋 雅彦*; 佐藤 昌宏*; 山下 良*; 坂場 成昭
no journal, ,
一般に黒鉛は、気孔率20%程度の多孔質材であるため、黒鉛の特性は、気孔の形状及び体積分布に大きく依存する。高品位黒鉛の量産化に向けては、黒鉛特性のバラツキをより少なくする生産手法を確立することが不可欠であるが、そのためには、まず黒鉛特性を簡易的に把握する手法を確立する必要がある。従来、黒鉛の特性は気孔率で予測してきたが、黒鉛特性のバラツキをより少なくし、高精度で予測するためには、さらに小さな因子をパラメータとして黒鉛特性を予測する必要がある。そこで、より高精度に黒鉛特性を把握するため、著者らは、黒鉛に含まれる開気孔と閉気孔に着目し、2次元画像及び3次元画像を用いて気孔の形状及び体積分布を解析することにより特性を予測してきた。本研究では、3次元X線CT画像を用いた開気孔率及び閉気孔率の解析から得られた結果を水銀ポロシメータによる測定結果と比較することにより、水銀ポロシメータによる測定の有効性を確認した。その結果、3次元X線CT画像と水銀ポロシメータによる開気孔率測定結果は、開気孔は気孔率が大きくなるに連れて大きくなり、閉気孔はほぼ一定であった。しかし、水銀ポロシメータによる閉気孔率の測定結果は画像解析による結果よりも最大で5%大きくなった。今後、水銀ポロシメータで開気孔率を高精度で測定できるようにするため、画像解析結果との相関を定量的に明らかにする。